元アパレル販売員が明かす仕事内容とここだけの裏話

Pocket

流行りの洋服や小物を身につけて、メイクも髪型もバッチシ決まっているアパレルの販売員。最先端の流行にかかわる仕事だから、おしゃれで楽しそうに見えますよね。

しかし、その実態は予想だにしないものなんです。

アパレルの販売員・店長として約7年働いていた私(元中の人)が、これからアパレルの会社に就職しよう、転職しよう、アルバイトしてみようと思っている人にむけて、アパレル販売員の仕事内容と、裏側のすべてを紹介します。

アパレル販売員の仕事は販売が命

アパレル販売員の仕事は接客

アパレルのお店で働くときの1番の仕事は『接客販売』です。1にも、2にも『接客販売』が最優先です。小売業だから売上をあげなきゃいけないし、利益もださないといけませんからね。

もちろん、ただ販売して売上をあげればいいっていうわけじゃなくて、接客サービス業だからお客様に満足していただいたうえでの売上になります。

お客様に満足してもらう接客っていうのは、

  • コーディネイトがよかったとか
  • 会話が楽しかったとか
  • 似合う洋服を紹介してくれた

などですね。
押し売りなんてできません。そんなことしたら、「お店の販売員の接客が最悪」っていう悪い噂はすぐに広がって、お店のイメージも悪くなり、売上も下がってしまいますから。

 

ノルマが正直キツい!アパレル販売員には個人予算がある

それに『個人予算』があります。(多くのアパレルブランドであります) 要は1ヶ月の売上ノルマ。これをクリアするのが、マジでキツイ・・・。

個人予算達成しないと、店長に、「あーだこーだ」言われますし、本部や本社の人にも「あーだこーだ」言われます。テンション、マジでさがるんです。(泣)

昇給やボーナスの金額、昇進の人事判断も、この個人予算の達成率が判断材料になるんですね。だから、お店のスタッフは、自分の個人予算を達成させるために、必死で接客してくるんです。

 

実は、アパレル販売員はお客様の取り合いをしている

自分が働いているお店が繁盛店で、いつもお客様がたくさんいるのなら、個人予算も達成しやすいと思いますが、そんなお店はごくごく一部。

ショッピングセンターや駅ビル・商業施設に出店しているお店の数自体が多いので、多くのアパレル店はお客様が少ないんです。その少ないお客様に買ってもらわないといけないし、しかも自分が接客してお買上げいただかないといけないんです。

お店の販売員全員が、そういう気持ちで販売をしているとどうなると思いますか?

そう、お客様の取り合いになります。

個人予算がある接客業には『暗黙のルール』があって、一番最初にお客様にアプローチした人が、そのお客様を接客することができるんですね。

スタッフが2人いて、お客様が1人入店したとしたら、最初にアプローチした方のスタッフが接客できますし、お買上げいただいたらそのスタッフの売上になるというわけ。

誰もが自分の売上にしたいんですが、例えば、店長と新人の私2人がいて、お客様が1人入店されたらどうなるでしょう?

店長の『私が接客する』オーラがMAXででます。無言の圧力。無言の圧力なのでパワハラとも言えません。(笑)

中には性格の悪い店長がいて、そういう時に限って『ストックの整理をして』って突然言ってきます。

私の売上は~~~!

 

あなたがお店に入って笑顔ですぐにアプローチしてくる販売員さんがいたら、「ウザッ・・・」って思わずに、「そういう過酷な環境の中でも、けなげに頑張っている販売員さん」 って思って、無視したり邪険に扱わないであげてくださいね。

 

アパレル販売員をしていてうれしいことは、自分目当てに来てくれる顧客ができること

個人予算を達成させないといけないという厳しい面もありますが、その反面うれしいことも、もちろんあります。

それは自分の顧客ができることです。

  • 自分の接客がよくて、お客様が私のことを認めてくれた
  • 「次もあなたから買いたい」と言ってもらい、そして再来店してくれた
  • お客様に似合うコーディネイトを提案できた
  • あなたの笑顔に癒やされた

理由はいろいろありますが、お客様のお気に入りに自分が入ったわけです。
そして、自分目当てに来てくれる。販売をしていて、こんなにうれしいことはありませんよね。

当然、自分の顧客だから、自分が接客して自分の売上になりますし、そういう顧客が1人、2人と増えていけば、個人予算も達成しやすくなっていくんです。

他のスタッフも誰々の顧客ってわかっているから、そういう時は横取りしません。ルール違反になるからです。それに、顧客の方もその人以外からは買おうとしないしね。その人が休みの日にお店に来たら買わずに帰りますから。(っていうか、休みの日を前もって教えるから、休みの日には来ないですけれどね)
ベテラン販売員の売上が凄いのは、顧客がたくさ~~んいるからです。新規でお客様を獲得する必要もないくらい顧客がいるんですね。そういう人達って。私もそういうベテランをたくさん見てきました。

誰もがそのベテラン販売員のような売上をあげたい!って思うと思いますが、一朝一夕では無理!地道な顧客作りからはじめる必要があるんです。

 

アパレル販売員がすぐ声をかけるのには理由がある

アパレル販売員のアプローチは早い

自分が客として服屋さんにいくと、店員からすぐに声をかけられて近寄ってきますよね。無理やり買わされるんじゃないかって思いますし、「1人でゆっくり見させてよ!」って心の中で思わず叫んでしまいます。

でも、それにはそれなりの理由があって、1番の理由が『販売をするのが仕事』だからです。販売=接客しないで、ボーっと立っていたら、仕事時間に遊んでいるのと同じことですからね。(それに店長が後ろから接客しろって、プレッシャーかけてくるし・・・)
2番目の理由として『おもてなし』をしないといけないから。そう、日本が世界にアピールできる『お・も・て・な・し』です。(笑)

販売=接客業=サービス業ですから、自分たちのお店にご来店頂いたお客様を無視するのは失礼。おもてなし=サービスをして、お客様に喜んでもらわないといけないっていう理由から、すぐに声をかけてくるんです。

誰もが経験あると思いますが、自分が客の時にすぐ声をかけられても、不快に感じる時と、感じない時があると思います。それは販売員の接客技術が違うからなんですね。

不快に感じない販売員は、自然な流れでお客様の懐に入り込むことが得意な人ですし、そういう販売員は、接客技術が高いから売上もすごいんです。

私には無理かも・・・、私には出来ない・・・って思っても安心してください。ここらへんの接客技術は、採用後の研修でみっちりと教えてもらえますから。

今の時代、アパレル業界に限らずサービス業の研修っていうのは、

  • 言葉遣い(敬語の使い方)
  • お辞儀の仕方
  • 表情(笑顔)
  • レジでの作法
  • セールストーク

などを徹底的に教えてくれます。

こういうことを若い年齢の時に身につけることができるのは、その後、年齢を重ねていく中で、自分の為に必ずなりますし、学んで良かったって思えるようになりますよ。

 

在庫管理をするのもアパレル販売員の仕事

アパレル店舗の在庫管理

お店の在庫も管理しなくていけません。商品のサイズ、色、在庫の有無も覚えます。たくさ~んあるお店の商品全部。

毎日、想像以上に売れるから、毎日、想像以上に商品が納品されますが、それらの在庫をバックヤードで管理します。

バックヤードといっても狭いですよ~。ほんと狭い。売り場の壁の裏側に人1人通れるくらいの狭いバックヤードがあって、そこにストックします。

因みに、納品された商品を1つ1つダンボールから出す作業からやりますし、売れない商品を1点1点きれいにたたんで袋に入れて、倉庫に返品する作業もします。

 

アパレル販売員の仕事は正直しんどい!?体力勝負

アパレル販売員の仕事は体力勝負

アパレル販売の仕事は、基本、1日中立ち仕事です。休憩時間以外、座ることはありません。体力が必要なガテン系?の仕事なんです。実は。

接客をしていないときでも、在庫管理の作業があるから、つねに身体をうごかしていますね。

慣れない最初の頃は、足が棒のようになって疲れてくし、むくんでくると思いますが、そのうち慣れてきます。慣れってほんと怖いですね(笑)

だから、アパレル販売をしている人は、男も女もみな太ももが太いんです。(笑)

 

アパレルの仕事は生活のリズムが不規則になる

お店で働く時は、シフトで出勤(早番・遅番)・休みが決まります。自分が働くお店が出店しているショッピングセンターの営業時間が基準となって、早番・遅番の勤務時間が決まります。

遅番は営業時間が終わってから、商品整理・レジ締めをして帰ることになるので、自宅に着く時間は夜遅くなります。

以前、私は、22時(夜10時)まで営業しているショッピングセンターのお店で働いたこともあるのですが、遅番のときは、まっすぐ帰っても自宅に着くと次の日になっていました。(泣)
だから、必然的に夜型の生活になりますし、早番も遅番もあるし、他のスタッフとの兼ね合いで休みが決まるから、生活のリズムは不規則になってしまうんです。

土日祝日は仕事。当然です。お客様が多い日に休めるわけがありません。GWも年末年始も仕事です。

年に2回あるSALEは、売上が1番高くなるときなので、ここで売上を逃すわけにいかないし、お客様も大勢来店されるので、スタッフ総出で販売します。1週間連勤も珍しくありません。

こういう働き方をしていると、中には体調を崩してしまう人もでてくるし、夜型の生活をしていると、昼間の生活パターンで仕事をしたくなってきたりもします。そして、これらが原因で辞めてしまう人も多いです。

生活のリズムが不規則なのも、アパレル業界の離職率が高い原因の1つでもあります。

 

アパレルってブラック?サービス残業は当たり前!?

あります。サービス残業。

在庫整理の途中で顧客が来店されたら、接客最優先でお相手します。顧客が帰られたあとに、さっきの在庫整理の続き。当然、残業代は全額出ません。(会社によりますが)

 

アパレル販売員の給与と待遇は仕事内容に割に合う?

アパレル販売員の給与

アパレル業界の四年制大学の新卒の給料は普通のちょい下くらいです。手取りでだいたい18万~19万くらい。派遣だと時給1,200円前後、アルバイトだと950円前後(東京近郊)といったくらいです。

仕事を始めた当初は、そんなに給与面では悪くありませんが、その後キャリアを重ねていっても昇給していきません。年1回の昇給は、経験上、200円~300円ほどでした。

店長とかバイヤーにキャリアアップすれば、多少は基本給がアップしますが、そもそものポストが少ないです。店長だって、1店舗に1人ですし、バイヤーだってブランドの規模によりますが、1ブランドに1人いれば十分です。

そういう役職についている人たちって、なかなか辞めないから、ポストに空きがでないんです。

20代前半のときは、給与も他の業種の同世代と同じくらいだからいいのですが、30歳近くになってくると、他業種の同世代に比べて年収は低い方になってくるので、30歳前に転職する人が増えるのも事実。

2015年の賃金構造基本統計調査では、様々な業界を含めた販売員の30歳前後の平均年収は290万という結果がでたそうです。

ボーナスは会社の規模にもよりますが、夏冬合わせて2ヶ月分くらいが平均でしょうか。(私の経験も含みます)小さい会社だと、出ない話もよく聞きます。

基本給は並でも、家賃手当、役職手当、家族手当などが充実している会社は多いです。手当があるのと、ないのとでは、違いますからね。

 

アパレルって有給休暇は取れる?取れない?

有給を取るのはほぼ無理だと思っていていいでしょう。お店のスタッフも最低限の人数で回していますし、365日朝から夜までお店は開店しているから、有給をとるのはむずかしいですね。

あなたが有給で休むからといって、他のお店や本社から手伝いに来ませんし、代わりもいません。

有給取得を推めている時代の流れについていっていませんが、これがアパレル業界の現状でもあります。

 

自社の洋服を買わないといけない

販売員は自分のお店の洋服を着る必要があります(動くマネキン)。もともと、洋服が好きだし、洋服にお金を掛けてきた人が多いのがアパレル業界ですが、今まで以上に洋服を買う必要がでてきます。

福利厚生の一環として、社販では定価から30%OFF~40%OFFで買えますが、春夏秋冬の毎シーズン買う必要があります。

安い給料の4割近くを洋服代に充てるので、やりくりするのは正直大変です。残ったお金でデート代とか、スマホ代を捻出しないといけないしね。

実家の人は多少いいかもしれませんが、一人暮らしの人は家賃や水道光熱費、食費もあるので、まず、貯金するのは難しいと思います。

(アパレルの店員って、従業員休憩室ではカップラーメン食べていますよ。)

 

アパレル販売の仕事を通じて学べて身につくこと

アパレル販売員が学べること

アパレル販売を通して良いことは、接客マナーが学べて身につくことです。

  • 第一印象を良くする方法
  • お辞儀
  • 立ち振舞
  • 挨拶、言葉遣い
  • 接客作法
  • お客様をおもてなす会話術

(洋服以外でも売れるような販売技術が身につきます)

などを若い年齢の時に身につけることができるのは、後々の人生で役にたつこと間違いありません。

ただ、潰しがきくかと言われると難しい面もあります。国家資格があるわけでもないし、販売員として転職するとしても、1番の壁になるのが『年齢』ですから。

 

ファッションの知識が付くのがアパレルの良いところ

いろんなファッションの専門用語から、今どきのトレンド、素材の扱い方、洗濯の仕方、カラーコーディネートなどの知識が身につきます。(カラーコーディネイターの資格も取れます。)

最近、洗濯表示のマークが変わったんですが、おそらく日本中の販売員は、接客できちんと説明できるレベルまで勉強して覚えたでしょうね。

 

若い年齢で店長など役職につける

会社の規模、お店の規模によりますが、小さな店舗なら、25歳前後で店長になることができます。(ただし給料は少ししか上がりません)

小さなお店といえど店長は店長。チームマネジメント力が身につきますし、店舗運営の企画・立案・実行などの仕事を経験することが可能です。(転職するときのアピールポイントにつかえますよ。)

 

まとめ

アパレル販売員はやりがいのある仕事です。自分の接客の評価がリアルに売上として返ってきますから。

売れないで悩むこともあると思います。でも、とにかく諦めないで、いい接客をしていると、必ずお客様は帰ってきますし、お買上げ頂けます。

そして、スタッフ全員が頑張って、個人予算・店舗予算を達成させたときの充実感・達成感は格別なものがあるでしょう。いろいろ悩むこともあると思いますが、目標に向かって頑張ってほしいと思います

 

Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です